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「現場監督がズバリ! “家づくり”ここに気をつけろ」(書籍紹介)

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2005年7月10日初版発行

著者  佐久間 哲

発行所 ニューハウス出版株式会社

筆者は元「現場監督」として建築業界に13年勤めた経験より、この本を執筆したようです。建築業界の内側からのアドバイスとして、幾つか参考になる内容がありますので、ここで紹介したいと思います。

尚、この書籍自体は絶版で古本以外では購入不可となっています。ちなみに、私はブックオフで売られているのを見つけ、108円で入手しました。

第一章:営業マンを選ぶ

「営業はプラン力」

プランを見れば営業マンの意気込みが分かる。感心するようなプラン、プロは違うと思われるような提案をしれくれるような人なら、営業マンとして及第点。但し、速さで判断するのはいけない。プランを十分に時間をかけて練っている営業マンは、工事が始まっても何かと現場に口を出してきた。営業マンは単なる物売りではない、プラン力が必要であり、プラン力が無ければ、お客さんにアドバイスすることなどできない。住宅業界に身を置く以上、お客さんの前でプランを書くぐらいの力は欲しいもの。何もアドバイスできない営業マンは何のための営業マンか分からない。

「きつい質問を投げかけてみる」

営業マンと初めて会ってから家が完成するまで、少なくとも3か月はかかる、というより半年、1年はザラ。長い期間にて気の合った人の方が良い。どうやったら気の合う人を選べるか? いろいろな質問をぶつける。イヤな質問もしてみること。「聞いた話だが、あなたの所はメンテナンスがダメと聞いたが?」、「トラブルが多いという話を聞いたのだが?」、「営業マンがすぐに辞めるという話を聞いたが?」、「会社が危ないそうだね?」等。それでどう反応、どう答えるか? その受け答えで自分と波長が合うかどうか判断して下さい。これは業者選びの判断材料にもなるはず。

「最初から自己資金を聞くような営業マンはダメ」

資金計画に関して知識のない営業マンは通用しない。だからと言って、会った最初から「自己資金はどれくらいありますか?」などと聞いてくる営業マンは失格。⇒聞きようによっては「あなた、お金あるの?」と言われているようなもの。初対面の営業マンに対しては、値踏みするくらいの気持ち、面接する気持ちが必要。きちんと教育を受けていないと思われるような営業マンのいる会社は避けた方が良い。

「自社の商品を愛しているか見抜く」

自社の建物が本当にいいと思っていれば、その気迫が伝わってくるはず。仮に営業マン自信が自社で自宅を建てていれば、彼の言葉は本物かも知れない。

第二章:建築会社を判断する

「建設業許可の変更届から情報を得る」

建築会社は建設業の許可を持っているはず。建設業許可は大臣免許(複数の都道府県で営業)、知事免許(1都道府県内で営業)があります。

建設業許可を取ると毎年、工事経歴や財務諸表を提出する必要があり、これを「変更届」と言い、いろんな情報が書いてある。顧客名、年間の売上高等、顧客名に知り合いが居れば、評判を聞くことも可能、財務諸表からは黒字、赤字も分かる。工事経歴からは年間建築棟数も分かる。また会社の経歴や従業員数も分かる。この変更届は誰ても閲覧できるので、これを利用しない手は無い。詳細については都道府県諸官庁、建設業の許可関係について確認してみて下さい。

「建主にも建築の知識が必要」

住宅品質確保促進法(2000年施行)により建物の基本構造部分のみは10年間保証されるようになったが、依然として欠陥住宅は無くならず、まだまだという感は拭えない。従って住宅のことを知らないお客さんは舐められてしまう可能性がある。このため、それなりの対策が必要。実際、うるさいお客さんに対しては気を付けて施工するという会社もある。だから建主の側も住宅関連の法律ぐらいは知っておいた方がよい。住宅品質確保促進法は略して「品確法」と言うが、建築会社の社長等にあえばさりげなく「品確法等で住宅の質が厳しくチェックされるようになったが、御社ではどう対応しているか?」等、話をしてみてください。質問に対してはそれなりの回答が返ってくるだろうが、それだけでも違う。一言いうだけでも相手に緊張感を生む機会となる。

第三章:プランを検討する

「点検口は多い方が良い」

普通の住宅には、点検口はだいたい2か所。一つは床下点検口で、床下収納庫を取り出すと、そこから床下を見ることが出来る。もう1つはたいてい2階のクローゼットの天井にあり、小屋裏を見ることが出来る。しかし1階の天井には点検口が無い。1階の天井と2階の床の間は天井ふところと言って空間がある。1階各室の天井に点検口があると、照明器具の位置の変更、機械換気の点検等も簡単に出来る。将来、増改築をする場合には骨組みが分かり施工しやすいというメリットがある。

「引き渡した家も見学させてもらう」

建築会社を選ぶ際に、過去に建てた家を見せてもらう事も大事。プランを始め、その建築会社についての感想が聞ける機会となる。もし建てた人の話を聞いて、その建築会社に依頼すると思うなら、大工さんや現場監督の名前も聞いておく。依頼時に指名することも出来るから。実際に施工する人により差が出るため。尚、訪問時には小さなお子さんは可能なら連れて行かない方が良い(子供がいるとじっくり話が聞けないため)。

「子供部屋は屋根裏でもいい?」

プランを考える時、往々にして子供の部屋が優先される。逆にご主人の部屋が狭い例がざらにある。子供が一緒にいる期間は限られている。マイホームを計画するなら、遠い将来を見据えて夫婦二人の生活を優先すべき。2階に夫婦の寝室を配置するが、歳を取って足腰が弱くなったら、寝室は1階の方が良いということも念頭に、融通の利くプランが良い。子供を優先するケースが多いが、子供部屋は寝て勉強するスペースさえあれば良く、極端な話、屋根裏でも良いという考え方もある。

「浄化槽の位置は意外に大事」

(2018年度末における全国の下水道普及率は79.3% 都道府県により大きな偏りがある)

浄化槽の位置が悪いと、後で苦労する場合がある。浄化槽は、できればトイレや洗面等の水回りに近い位置にあった方が無難。離れていると流れにくい等ということもある。そして家族構成にあった容量のものをえらぶこと。将来、2世帯住宅を計画するなら、予め容量の大きいものを設置しておく。敷地によっては駐車場の下に配置することもあるが、そんな場合は浄化槽の上に車が載ってもいいように計画する。時として臭いに悩むこともある可能性もあり、食堂に近い場所は避けたいもの。その辺りのことは工務店が良く知っているはずにて、不安なら聞いてみる事。図面に浄化槽が書き込まれていない場合は、位置をすぐに確認すること。

第四章:現場監督を見る

「現場監督は建築関係の資格を持っているか」:現場監督を紹介され名刺をもらったら、建築関係の資格(設計士、建築施工管理技士など)を持っているか、確認する。資格と実務は違うので、資格が無いからダメというわけではない。資格と実務は違うので、資格が無くても実務能力の高い人はいる。資格の意味は、資格をとろうとする姿勢=自分のスキルを高めたいという現れであり、それが仕事にも反映される。資格は自信にもつながり責任感も強くなる。

第五章:現場をチェックする

「建築現場も見てみよう」

実際の建築現場を見ることも大事。展示場が表の顔なら現場は裏の顔。現場がちかっていたり、タバコのポイ捨てが見られる場合、工事責任者の不在、現場監督の管理不良がある。また職人のマナーにも問題がある。良い職人は現場を汚さない。最も大事なのは、会社の職人さんへの教育、指導であり、現場を見ればそれが分かる。また、きちんと看板が掲示されているかも見る。建設業許可、確認申請の許可等の標識掲示は法的義務であり、為されていない会社は問題がある。

木造住宅を建てるには腕の良い大工がいることは大事だが、工事責任者(現場監督)の力量も重要。大工の仕事は大工仕事が専門、以外の水道、電気、塗装、左官はそれぞれ専門業者がいる。その管理は現場監督でなければできない。

現場をなおざりにしている会社は営業に重点を置き、現場を軽視している傾向がある。現場見学会に参加するのも良いが、建築会社がおぜん立てした見学会ではなく、ごく普通の現場を見ることも大切。

「建売住宅、中古住宅は複数で見に行く」

建売住宅や中古住宅は、決して買い急がないこと。あわてて買うと、たいてい後悔することになる。そうならないために物件をひとりで見に行かない。必ず家族や親戚、または建築関係に詳しい人と一緒に複数で見ることをお勧めする。現場では営業マンが案内するが、悪い部分は見せない。お客が一人なら営業マンは扱いやすい。ところが複数で行くと営業マンにとっては面倒となる。一人に説明している間に、他の人はそれぞれ好き勝手に見て回る。このようにいろいろな目で見てもらえば、自分一人では気付かない所までチェックの目が届く。客観的にその物件について判断することが大事。特に売れ残りの建物の場合、営業マンの話を鵜呑みにせずに疑ってかかるぐらいの姿勢が必要。

「南側道路の敷地だからとすぐに飛びつかない」

日当たりの関係で南側に道路があることを条件に土地選びをする人が多いが、すぐに飛びつかない方が良い。敷地形状、周辺環境を良く見て検討すべき。南側道路だからと購入したはいいが、毎日の交通量が多く騒音がひどい、また日当たりの良い南側にリビングを配置したため通行人から見えプライバシーが保てない等の不具合もある。南側道路といっても他の条件がよくなければ快適性は失われる。このため周辺環境を良く見て土地選びをしないと失敗する。

気に入った土地があれば周辺を必ず歩いてみる事。土地選びは慎重にすべきであり、周辺環境をみることから始める。

「現場に行く時は必ずカメラを持参しよう」

住まいづくりは業界に携わっていない人にとっては分からないことだらけ。図面を初めて見る人もいる。現場に行っても何をどう見てよいのか、わからない場合が多い。そこで現場に行く時は必ずカメラを持参し、現場の写真を撮りまくる。職人は写真を撮られていると思うと緊張するので、いい加減な仕事は出来ない。写真を撮る際は、全体の写真と部分写真をセットにして撮ると、どこの部分なのか分かりやすい。これらの写真は万一、問題が起きた時に役立つ可能性がある。現場監督に写真撮影を頼んでも、会社の人間が撮れば、当たり障りのないところしか撮影しない。自分の目で確かめて自分で撮らなければ意味が無い。ぜひ現場に行くときはカメラ持参を。

「壁や柱などは縦の線を重ねて見る」

住宅はプロが建てるが、時には精度が出ていない場合もあり得る。例えば壁が床に対し垂直でないケースもある。この場合、例えば襖を閉めた時、枠との間に小さな隙間ができてしまい、それを直すため建具屋が苦労することとなる。そこで素人でも簡単にチェックできる方法を覚えていくと良い。壁や柱などの縦の線を重ねてみるようにする。どの線もピタっと重なれば、その壁や柱は垂直。どこか少しでもズレていれば、まっすぐではないことが分かる。

建物の中ばかりではなく、外の縦の線も重ねてみる。例えば隣家の外壁の縦の線と、こちらの建具の枠の縦線等。万が一、周囲の幾つかの建物の線と重ならなかったら、こちらの建物そのものが傾いているかもしれない。そこまではいかなくても、若干の狂いはある。

第6章:元現場監督ならではの秘策

「土地の履歴を知る事」

土地の購入は家より大変。建物なら建て替えは出来るが、土地はそうはいかない。地盤を始めとし、その土地が昔はどんなところだったかを調べることは大切。地元に長く住んでいる年配者に聞いてみたり、役所で資料を調べる等、その土地の履歴をよく調べる事。例えば法務局に行って閉鎖謄本をとり、昔の地目を調べてみることもひとつの方法。資材置き場だった土地などは廃棄すべき資材が埋められている可能性もある。災害があったかどうかも役所に行けばわかる。良心的な不動産屋は土地の履歴を教えてくれるかもしれないが、不利なことは説明しないのが常識。買う前に近辺で聞き込みをしたり、役所で調べたりして万全を期した方が無難。

「大手メーカーは本社に苦情を持ち込む」

大手メーカーだから安心と思う人が多いが… そうとは限らない。実際に仕事をするのは大手から依頼を受けた下請け業者が殆どだと思う(建築業がクレーム産業と言われるゆえんはそんなシステムにあるのではないか?)。

契約から引き渡しまでの間に担当者が転勤してしまうようなことも大手メーカーにはあり得る。支店や営業所は、いい加減な対応しかしないかもしれない。そんな状況でクレームに悩んでいたら、本社に苦情を言うのも一つの手。

引き渡し後の苦情に関して、大手メーカーではアンケート調査を実施している場合があり、そのアンケートに苦情を書き込んでおく手もある。会社に対し不満があれば、本社に直接伝える。

「引っ越し費用を節約する」

引っ越しに掛かる費用もバカにならない。引っ越し業者に頼むと、かなりお金がかかる。そこで、建築業者のトラックを借りるという手もある。建築会社に引っ越しの手伝いをしてもらえるか、ダメもとで交渉してみるのも手。せめてトラックくらいは借りたい。

~(内容について)~

82個のテーマを6章に分けて書かれてあり、1つのテーマが独立しているので、気になる内容だけ読める本です。その中で私が気になった17個のテーマについて、簡略化して紹介しました。他の書籍と内容が被るものもありますが、この本にしか書かれていないような内容もあります。ノウハウ本については、自分にとって幾つか役に立つ情報が得られれば、それで由ではないかと思います。

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