考え方構造・工法

04.「決めなければならない構造や仕様」

考え方

家を建てるに際し、いろんな仕様を決めていく必要があります。

基本的に、施工業者の標準仕様が決まっているので、何も要望がなければ、標準仕様で施工することになります。その標準仕様の性能について把握、納得していれば別ですが、そうではなく後になって、「〇〇にしておけは良かった」と後悔しないためにも、一通り、考えてみることをお勧めします。

「ぜひ検討して頂きたい項目」

  1.  屋根材
  2.  断熱材
  3.  外壁
  4.  窓の大きさ・仕様
  5.  雨戸をどうするか?
  6.  雨仕舞(屋根の形、バルコニー)

「屋根材について ①(屋根材)」

  • 屋根材は、大きく3つに分けられます。①瓦屋根、②ガルバニウム鋼板(金属板)、③スレート(セメントベースの屋根材)、 これに加え、④アスファルトシングル という屋根材もあります。これはアメリカで主流の屋根材のようです。
  • 屋根材については、それぞれメリット、デメリットがあるので、どれを選ぶか? 悩ましい所です。恐らく、何も指定しなければ、スレートを標準仕様にしているハウスメーカー、工務店が多いのではないかと推察します。
  • それぞれの屋根材のメリット、デメリットについては、他に詳しく解説してあるサイトがありますので、そちらの方をご参照下さい。解説サイトは、基本的に施工業者が作ったサイトが多いので、自分が施工するものを勧める傾向にありますので、幾つかのサイトを見比べて判断することをお勧め致します。
  • 考えなければならないポイントとしては、①初期費用(イニシャルコスト)、②ランニングコスト(塗り替え、葺き替え)、③重量、④通気性、⑤快適性(断熱、遮音性)だと思います。
  • 私は、トータルで最も費用がかからないものを選定したく、瓦屋根にしました。瓦屋根は初期費用は比較的高いのですが、維持費は殆どかからない(と見ています)、長期的に見て最も安価なのは瓦だと思い、選定しました。瓦のメリットは、①瓦自体の耐久性が高くランニングコストが少ない、②通気性が良く下地を傷め難い(ので、この点も維持費が安くなる)、この2点だと思います。瓦屋根は重たいので、地震の時に揺れの原因になると書かれている文書も見たことがあります。確かに建物の上の方の荷重が大きいと振られやすいのは物理の基本ですが、それなりにしっかりと建てられた家であれば、さほど気にすることは無いと考えています。
  • 屋根材は、最初から瓦しか考えていませんでしたが、瓦以外で選ぶとすれば、私はガルバニウム、ジンカリウム鋼板を選ぶと思います。理由は、比較的耐久性がある事と、下地に断熱材を入れられる点です。
  • もう1点、私は太陽光パネルを置く予定が無かったので瓦屋根にしましたが、太陽光パネルを設置予定の家については、瓦以外の軽い屋根材の方が良いのではないかと思います。これは、瓦屋根が重たい事に加え、太陽光パネルの重さが家に乗るので、やはり地震の時に影響が出る可能性と、太陽光パネル自体が屋根材の代わりになるので、パネルの下の屋根材の耐久性が上がる事を見込んでいます。もし私が太陽光パネルを設置していたのであれば、屋根の形は片流れとし、パネルを屋根材代わりと考え、屋根全面にパネルを設置したと思います(まあ、費用もかかるので、無理でしたが…)。

「屋根材について ②(防水シート)」

  • 屋根の上に乗っている瓦やスレートは、雨を直接排除する機能を持っていますが、隙間から水が入り込みます。この水をはじき水を染み込ませないようにするのが防水シートであり、ルーフィングと呼ばれています。
  • 一般的にはアスファルトルーフィングと呼ばれるシートが使われていますが、このルーフィングにも種類、グレードがあります。実は表に見えないので、殆どの人はルーフィングの存在すら知らない場合が多いのですが、雨漏り防止のために非常に重要な屋根材であり、できれば少し値段が高くても耐久性の高い、高品質のものを施工すべきです。特に若いうちに家を建てられる方は、50年以上その家に住み続けるわけですから、50年を見据えた品質のものを選択すべきと思います。
  • もし雨漏りが発生した場合、家の周りに足場を組み、瓦等を一旦撤去して、ルーフィングの張替が必要となり、ざっと100万単位の補修費用が必要となります。それを考えたら、ルーフィングについて少々値段が高くても、高耐久性のものを選定されることをお勧め致します。この辺は、ルーフィングや屋根材、雨漏り等のキーワードで検索すれば、情報は幾らでも得られます。工務店側の立場から見ても、特にその指定商品を仕入れて施工するだけなので、特注で注文しても、断られる等のことは無いと思います。但しこの辺、ハウスメーカーは指定品以外使いたがらない場合もありますので、注意が必要です。
  • ルーフィングについても、何も指定しなければ、工務店やハウスメーカー標準品が使用されます。私は4社と商談した際に、使用するルーフィングを確認しましたが、3社が改質アスファルトルーフィング、1社が透湿アスファルトルーフィングとの回答でした。家を建てるには、いろんな材料があり、可能な限り広く調べていたので、ルーフィングについては大事な材料なのですが、今一つ自分の中で調査が甘かったと反省しています。ルーフィングは大事な材料なので、良く調べて納得のいく材料を選定されて下さい。
  • ちなみに、工務店にルーフィングの種類を確認しても、即答できたのは1社だけでした。普段、家の建築を注文する人で、ルーフィングの種類を質問する人は、ほとんど居ないのだろうと思われます。大事な材料なのですが…

「断熱材」

  • 家の断熱には、外断熱と内断熱があります。以前言われていたことは、外断熱はコンクリート造りの家に施工する方法で、木造は内断熱が基本とされていました。コンクリートは、自体が断熱性に乏しいため、且つ壁内へ断熱材を入れることが出来ないため、外断熱以外の選択肢はありません。昨今では木造作りでも外断熱を標榜する工務店が増えています。
  • 木造造りにおいて、外断熱と内断熱を比較した場合、外断熱の方が性能的には優れていると書かれてあります。但し施工普及率は内断熱の方が圧倒的に多いようです。また、外断熱の方が費用が高いようです。内断熱については、壁の中に断熱材を入れる、つまり元々空いている隙間に断熱材を詰めるだけなので、費用は抑えられます。
  • 私が家を建てたのは2014年にて、時点も木造で外断熱仕様はありましたが、私自身は家の性能は必要最低限しか求めていないので、内断熱の中で仕様を検討しました。なので外断熱については分かりません。私の乏しい知識の中で、外断熱について気になる点としては、外壁の施工性、雨仕舞との兼ね合いです。木造住宅において、外壁として多用されているサイディングは、柱に打ち付けた胴縁と呼ばれる薄い木板に金具で固定します。サイディングのメリットは内側に隙間があることによる通気性の確保です。外断熱仕様の場合、通気性なり雨仕舞、サイディング施工性との兼ね合いについては、きちんと工務店に確認して施工される方が宜しいかと思います(と言うか、自分が外断熱を採用するなら、そうすると思います)。
  • 内断熱の場合、壁内に詰める断熱材については種類があります。これも、特に工務店やハウスメーカーに指定しない限りは、標準仕様のもので淡々と施工されます。なので、こだわるのであれば事前に調べて、その断熱材の施工が可能か、確認する必要があります。
  • ちょっと話はそれますが、私は家を建てる前は社宅に住んでおり、その前は鉄筋の賃貸マンションに住んでいました。いずれも、冬場になると結露が発生し、カビの原因となっていました。なので、家を建てる際に、結露対策が大事なのではないか? とも考えており、それを踏まえて断熱材を検討していました。
  • 木造住宅の場合、最も多く使用されている断熱材はグラスウールです。グラスウールは湿気、濡れに弱いと書かれており… 結露対策が大事と考えていた私は、他の断熱材が良いのではないかと、ネットで断熱材を調べ、本を読んで、セルロースファイバーを勧める記事を幾つか見つけ、セルロースファイバーでの施工を検討していました。セルロースファイバーのメリットとして、吸湿性、調湿性に優れるとかかれてあったためです。このため、商談中の工務店にセルロースファイバーでの断熱材施工について確認しましたが、いずれの工務店も「施工は可能」との返事でした。ただ、グラスウールよりは材料費に加え、施工費用が高くなるとのことでした。
  • 少し費用が高くなっても、壁内結露に左右されないセルロースファイバーの採用が良いだろうと考え、断熱材仕様はセルロースファイバーで決めていたのですが、ふとそのころ手にした本に、たまたまセルロースファイバーについて記載されており、要約すると、「家の中にちょくちょくと綿埃のようなホコリが舞う、落ちていることがある。最初は何故か分からなかったが… 壁内に充填している断熱材のセルロースファイバーが出てきているのだと分かった。セルロースファイバーは壁内に吹き込み充填するが、セルロースファイバー自体は一体化した固体ではなく粉状で壁内に存在しており、壁の施工は完全気密ではないので、中のセルロースファイバーは、僅かずつだが、外に出てくる。」と記載されていました。この辺はネットでは見つけられなかったデメリットです。
  • 例えるなら、ダウンジャケットがそうですね。たまに中のダウンが服の生地に刺さって、外に出てきます。ダウンジャケットはそれで構わないのですが、家の壁の中の充填材が、僅かずつでも室内に出てくるのは、なんとなくイヤだなと思うようになり、セルロースファイバーで決めかけていた断熱材の選択を、止めました。⇒ 単なる私の主観であり、実際には殆ど問題にならないのかも知れませんので、この辺は良く調べた上で選択されて下さい。
  • 家の断熱材について、セルロースファイバー以外のものを選択すべく調べた所、吹付施工のウレタンフォーム類は、耐火性に劣ると書かれてありました。充填材としては、グラスウール、ロックウールがありますが、ロックウールはグラスウールと性能はあまり変わらないようなので、値段も安いし工務店の標準仕様である、グラスウールを選択することにしました。
  • 私自身は、家の断熱は大事だけれど、性能的にはそこそこのもので十分と考えていました。ただ、壁内結露してグラスウールが濡れて、カビが生えるのが嫌だなあと思い、最初はセルロースファイバーにしようと考えていたものです。この点、工務店に聞いてみたのですが、「建築後時間が経過した家の壁内を見たことがないので、明確なことは言えないが、おそらく木造の場合、壁内の結露は問題になるレベルでは無いのではないか?」との事でした。この言葉もあり、グラスウールを使用することにしました。
  • このグラスウール、これもグレードがあり、繊維の太さや密度により断熱性能が異なるようです。ただ、断熱性能の数値的には、大きくは変わらないように思います(元々の数値が高いため)。当然ながら値段との兼ね合いになりますが、もともと比較的安価な素材であり、少しグレードを上げても、さほど金額的な影響は無いのではないかと思います。私は結局、工務店の標準品で施工してもらいましたが、以前住んでいた鉄筋コンクリートの社宅に比べ、冬は本当に室内が暖かいです。まあ、比較対象のレベルが低すぎるという話もありますが…
  • ネットで調べてみたのですが、断熱材については各社の思惑があり、良し悪しの議論がサイト毎に結構さかんに行われています。グラスウールの場合、というかどの断熱材も同じですが、施工方法が大事なようです。断熱材の施工については、家の建築中にタイミングを合わせれば見ることが出来ますので、事前にインターネットで情報を多く見たうえで、自分の目で確認されることをお勧めします。工務店に対し、「断熱材の施工を見たい」というだけで、それが工務店に対しプレッシャーになります。このことも大事なのです。今はスマホがあるから、施工風景の画像をその場で見ることもできますので。
  • 但し、大事な事として、家の建築は専任の大工さん(棟梁)が行うはずです。棟梁に質問するのは構わないのですが、指摘や苦情は直接言わない事! 必ず工務店の監理責任者に言ってください。現場で作業されている方が気持ちよく仕事を出来るように配慮するのは、大事な事なので。

「外壁」

  • 私が最後まで悩んだのが外壁でした… 未だに? 自分の選択が正しかったのか? 不安があります。その理由は後述します。
  • 現在外壁については、新築木造の場合、7割以上が「窯業系サイディング」になっています。最近建てられた家については、殆ど窯業系サイディングです。窯業系サイディングとは、セメントと木質系成分を混合して製造される人工の外壁材で、種類が非常に多く、外観が良いのが人気のポイントだと思います。現在、工務店で家を建てる場合、外壁の標準仕様は殆どが窯業系サイディグとなっていると思われ、特に外壁について指定しなければ、窯業系サイディングのカタログから選ぶよう、工務店に依頼されるはずです。
  • 私は家を建てる時に、本も勉強のために読みましたが、外壁のことを詳しく書いている本があったかどうか、記憶にありません。その分、インターネットには外壁について詳しく書かれています。まあ大半は、それを売りたい人が作ったサイトですが、外壁の種類とメリット、デメリットが比較されているので、検討資料として参考になりました。
  • 窯業系サイディングは、メリットとして、①設置費用は高くない(標準仕様の所も多い=リーズナブル)、②デザイン豊富で見た目が良い、③壁内の通気性が良い、④耐火性が良い(燃えない)という点があげられます。家の外観が良いというのは、住んでいる人にとっては気持ちの良いことだと思います。
  • 一方のデメリットについて、メンテナスが必要にて、比較的ランニングコストがかかるということです。窯業系サイディングは吸水性があるため、塗料で浸水を防いでいます。このため、10年前後で塗装が必要となります。また、サイディングの継ぎ目をシリコンでコーキングしてあり、シリコンの劣化により、10年前後でシリコンの打ち換えも必要となります。塗装とシリコンの打ち換えが必要にて、2階建ての場合、足場を組む必要があるため、結構な金額がかかります。
  • 私は、家に求める品質が、見た目より低コストだったので、10年ごとに費用が発生する窯業系サイディングについては、外壁材として魅力を感じませんでした。このため、他の外壁材を選ぶ必要がありました。以外の選択肢としては、タイル、金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)、木質系サイディング、樹脂系サイディング、塗り壁・吹付がありました。
  • この中で、タイルは高価です。塗り壁・吹付については職人さんの腕に左右される部分があるとかで、気乗りがせず、維持費が安いと書かれていた樹脂系サイディングを選択することとしました。
  • 樹脂系サイディング(ポリマパネル)は、アメリカでは主流の外壁材で、プラスチックのサイディングです(塩ビ)。平たく言えば、波型の薄いペラペラのプラ板です。もう、初期費用と維持費の面で、おそらくこれが長期的に見れば最も安かろうと思われ(紹介サイトにはそう書いてある)、ポリマパネルにしました。もう相当悩みました! なぜって、まず工務店の方がポリマパネルの施工は初めてで、見たこともないとのことで、周りにポリマパネルの家も1件も無い… 北海道ではメジャーな外壁材とのことですが… この辺では超マイナーな外壁材。他の種類の外壁材の家は、窯業系サイディング以外でも、結構見つかるのに…
  • というわけで、当家の外壁は樹脂系サイディングの、この辺では珍しい家です。家を建ててから、他の家の外壁を注意深く見るようになりましたが、かなりの家を見ても、ポリマパネルと思われる家は、当家以外では、それらしいのが1件だけです。いやはや、なんてマイナーな外壁を選んだのでしょうね…
  • 当家のポリマパネルはさておき、外壁は良く選ぶ必要があるものです。窯業系サイディングの外観が好きで、維持費の事を理解して選択される方は良いのですが、標準仕様だからとあまり深く考えず、後から「10年ごとに塗装とシリコンコーキングが必要にて、数十万円の費用がかかります。」と言われたら? 私だったら耐えられません。誤解のないように、この辺は窯業系サイディングの業界団体のHPだったかにも、きちんと維持について説明はされています。それを知らぬまま選択するのはどうか? という話です。どの外壁材にもメリット、デメリットがあり、それをしっかりと踏まえた上で選択すべきものであり、外壁材選びも結構家づくりにおいて大事な要素だと思います。

「外壁(樹脂サイディング‐ポリマパネル)」

  • さて、私の家の外壁はポリマパネル仕様です。外壁についていろいろと調べた結果、初期費用と維持費でのトータルでは最も経済的と書かれてあったので、ポリマパネルにしました。上記の通り、北海道ではメジャーな外壁材のようですが、西日本では殆ど目にすることのないような…
  • ポリマパネルは、ほんとペラペラのプラスチック板です。家を建てたとき、子供は二人とも小学生でしたので、ふざけて外壁にぶつかったりしても、割れる可能性があります… なので子供には、「うちの家の壁はプラスチック製だから、割れてしまうので触らない事!」と言い聞かせておりました。まあ実際には薄いプラスチック板なのですが、それなりに柔軟性はあるので、そこまで簡単には割れませんが。材質は塩ビです。
  • 身の回りにあるプラスチックは、紫外線に長時間当てると、劣化し割れるものが多く、まあ塩ビは配管その他で使用されている材質で、耐候性には優れているプラスチックですが、それでもそんなに長期間持つのかなあと心配ですが… 現在4年以上経過していますが、特に不具合は無いようです。とは言え、期待している耐久性は30年~50年なので、答えが出るのはまだまだ先の話。
  • ポリマパネルを扱っている企業は、私が家を建てた時点で、ゼオン化成㈱と、信越ポリマー㈱の2社でした。2社とも本社は東京のようですが、工務店が手配したのは信越ポリマーのポリマパネルでした。
  • 私が家の建築を依頼した工務店は小さな工務店ですが、出来る限り注文には対応してくれる工務店で、また自社で出来ることは自社でやる工務店でしたので、初めてのポリマパネルも、ネットで施工方法等を調べて、やれそうだと判断してくれました。ポリマパネルは独自の施工方法なので、それなりの技術が必要なのですが… なので正直、施工については少々心配していました… 家を建てた後、パネルが1枚剥がれました。1階部分の最上部、玄関の軒下です。なので、工務店に補修を依頼しました。どうやって補修するのだろうと思っていたら… シリコンでべた付け… もう細かい事言っても仕方ないのでね。おそらく施工しやすい部分は問題無いのですが、端なりキワの部分はポリマパネルの施工手順通りの施工が難しいのだろうと思います。
  • さて、ポリマパネルで施工した後、材料が余りました。必要分を算出した上で発注しますが、最小販売単位(箱)があるので、どうしても材料があまります。この材料については、一通りの種類を選んで、ブルーシートにくるんで、屋外で保管しています。仮に1枚破損した場合、恐らく1枚単位では買えずに箱買いになると推察、そうすると、補修費用は結構な値段になると思われ、先を見越して予備として自衛保管しています。

「ポリマパネルのメリット」

  • 例えば窯業系サイディングであれば、家を棟上げ後、筋交い等を入れ、家の外側には防湿シートを張ったら、その上に外壁材を施工します。正確には外壁材を取り付けるための板材を柱に打ち付けますが、硬い外壁材が家の鎧になります。
  • これに対し、ポリマパネルは自体が柔らかいこともあり、家の外側には全面に構造用合板を打ち付けます。この上にポリマパネルを引っ掛けるための木材を取り付けて、ポリマパネルを施工します。
  • つまり、家の外側は構造用合板が貼られている=一般的な木造住宅の耐震構造である、柱+筋交い に加え、構造用合板の壁が加わっているので、耐震性が増しているのです。この事は、家を建てた後に工務店から教えてもらいました。
  • 家の外側を構造用合板が貼ってあるので、火災には弱くなりますが、この点、ポリマパネルの施工基準書には、構造用合板の上に防火目的の石膏ボードを貼るようになっています。これより、準耐火構造にはなっているようです。
  • つまり、ポリマパネルを在来軸組工法の家に施工する場合は、構造用合板を取り付けることにより、壁構造の家にもなり、耐震性が上がるという大きなメリットが発生します。

「ポリマパネルのデメリット…」

  • ポリマパネルの最大のデメリットは、特にこの辺では施工する家が少なく、工務店も殆どノウハウを持っていない所です。工務店によっては施工を断る場合もあると思います。
  • さらに… 私が家を建ててしばらくして、工務店の社長と話しをする機会があったのですが、その時「そういえば、ポリマパネルのメーカーから、ポリマパネルの取り扱いを止めるとの話が来た」とのこと! えーっ! そりゃないでしょ! インターネットを調べたら、確かに信越ポリマーHPで、ポリマパネル販売終了の案内が… おいおい、なにかあったらどうすんだ!
  • というわけで、やはりメーカーが現在1社しかなく、施工してくれる工務店、業者が少ないことが最大のデメリットですね。だから情報が無い。私も30年後に無事を確認しないと、ポリマパネルを勧めることが出来ないし…

「窓について」

  • 今の家は相対的に窓が小さくなっています。昔の日本家屋は、高温多湿な夏場の快適性のため、とにかく通気性の良い、窓の大きな家となっていました。今の家は断熱性を考慮し、家の窓は小さくなる傾向にあります。
  • 家の内側と外側の熱交換、つまり断熱性が低い部材は、窓です。夏の暑い時期、太陽熱は窓から入ってきますし、冬の室内暖房のぬくもりが外に逃げるのも窓からが最も大きくなっています。
  • なので、現在の家は昔の家に比べると、窓の大きさが小さくなっています。窓の役割は、風通し、換気と、採光です。特に窓を小さくし過ぎると、採光に影響しますので、兼ね合いは大事ですが、まあハウスメーカーや工務店が提案図面、設計図面を提示して来た内容をベースに、大きさについては若干の変更をするかどうか? 検討されれば良いと思います。
  • 窓は家の断熱性能を大きく左右します。この辺もメーカー、販売店に詳しいサイトがたくさんありますので、事前に確認しておいて下さい。一般的には、通常のアルミサッシ(ガラス1枚)の熱損失が100とすると、ペアガラスで50~60、Low-eと呼ばれる熱断熱サッシで25前後となります。窓ガラスについては、工務店の標準仕様が何か? 確認して下さい。標準がペアガラスと、Low-e仕様の場合があるかも知れません。標準がペアガラスの場合、Low-eガラスを選択すると、価格は上がりますが、この辺は性能と投資額との兼ね合いとなります。いずれにしろサッシについては指定品を工務店が発注するだけで、どのサッシを選んでも取り付け方法は変わらないので、比較的選びやすいものとなっています。
  • Low-e仕様の場合、太陽熱を透過するタイプ(冬に暖かい)と、遮るタイプ(夏の日差しによる熱を防ぐ)の2タイプがあるようですので、この辺は良く確認されて下さい。
  • ちなみに、私はペアガラスにしました。通常の1枚ガラスに比べ、熱損失が半分近くに下がるのであれば、それで良いだろうと、それ以上の性能を求めませんでした。窓ガラスの熱損失は、特に冬場に関係してきますが、家の中は冬は比較的温かく、ペアガラスでも性能的には十分だったかなと思っています。
  • ペアガラス、Low-e仕様については性能について保証期間があり、確か10年だったと思います。恐らく中のガスが抜ける可能性を考慮しての期間だと思います。余裕を見た数字だとは思いますが、性能は永遠ではないということは頭に入れておく必要はあります。
(ペアガラスの場合、すりガラスも外側だけで、内側は透明窓になる)

「雨戸」

  • 昔の家は雨戸があるのが普通でしたが、最近の家は雨戸が無い家も結構あります。他方、鉄筋造りのマンションやアパートの場合は、雨戸の無い住戸の方が多いです。
  • 雨戸の設置目的は、台風等の荒天時の窓ガラスの保護、他には防犯、防音、防寒等があります。荒天時のガラスの保護について、雨風では現在のサッシは殆ど割れることは無い様で、何かが飛んで来て当たった場合に割れるようです。
  • 雨戸はあった方が利便性は高いのですが、私の家は雨戸は設置しませんでした。これはもう、単にコストカットです。雨戸が無くても大丈夫だろうとの判断で設置しませんでした。
  • 雨戸は現在、シャッタータイプが主流となっていますが、折り戸、引き戸タイプもあるようです。雨戸については、それほど悩むものでは無いと思いますが、後で後悔しないよう、予め検討されておかれる事をお勧めいたします。

「雨仕舞、屋根の形、軒」

  • 「雨仕舞」という言葉を工務店の社長から聞きました。例えば、私の家は2Fにバルコニーを設置しましたが、バルコニーは建物から外に突き出して作ったほうが良いと言われました。1Fの上にバルコニーがある場合、「雨仕舞が悪い」と言われたのです。雨仕舞? ネットで調べてみたら、「建築物内部に雨水が浸入せぬような仕組みを施す総称」と書かれてありました。平たく言えば、雨仕舞が悪い=雨水侵入防止を施しにくい という意味だと思います。
  • 雨仕舞という言葉にこだわる必要はないので、「雨漏りする可能性が高くなる」との表現を使うことにします。家づくりを考えるうえで、雨漏りのリスクは出来るだけ避けるべきです。そのために、屋根の形、軒、バルコニーについて自分なりに考えておくことをお勧めします。
  • まず屋根の形についてですが、雨漏りのリスクを考えると、形はシンプルな方が良いようです。継ぎ目部分が多くなると、「雨仕舞が悪くなる」つまり雨漏りのリスクが高まるようです。であれば、面が1つしか無い「片流れ」という屋根の形が良いようですが、片流れは屋根面積が狭くなるので、リスクが低いわけではない的なことも書かれてあります。詳細は他の詳しいサイトを見て頂いたほうが良いのですが、屋根の形により、雨漏りのリスクが変わるようです。もちろん屋根の形以外にも、施工方法、施工技術等にも左右されますが、やはりリスクが少ない方を選ぶ方が賢明かと思います。
  • もちろん、どうしても家の形や屋根の形にこだわりがあるのであれば、そちらを優先すべきです。屋根の形によって家の印象が大きく変わりますので、家の外見にこだわる人は、屋根のデザインも大事です。もし、デザイン的に複雑な屋根形状にされる場合には、工務店の方に、雨仕舞について詳しく確認されて下さい。相手に、デザイン優先でも、雨仕舞、防水性能にも妥協しない という姿勢を見せることも大事なことですから。
  • 私の家の屋根は、「切妻」にしました。いわゆる王道と言えば聞こえは良いが、無難な形なので。費用面から見ても、寄棟より切妻屋根の方が若干安くなるはずです。
  • 一般的に言われている、雨仕舞の悪い仕様、雨漏りする可能性の高くなる構造として言われているものは、以下のようなものがあります。
  • バルコニーの下に居住空間がある場合⇒バルコニーは家から突き出ている、下が地面の方が無難
  • 屋根の継ぎ目部分が多いもの、屋根の形が複雑なもの
  • 軒が無い、短い場合:壁との境の部分が水が浸入しやすくなる
  • 何より、家の性能において、防水、雨漏りが無い事は絶対に必要な条件であり、家の重要な品質となりますので、この辺も良く事前に調べてから構造を検討されて下さい。
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