構造・工法 その他情報

「木材(液体ガラス・加圧注入処理)」

構造・工法

建築資材としての木材は最も多用されている材料であり、以下の特徴があると思います。

・比較的安価

・加工しやすい

・耐久性に優れる(施工場所、施工方法に左右されるが)

その木材も万能ではなく、やはりデメリットが存在します。

・シロアリの食害に弱い

・水や直射日光に弱い

・火に弱い(燃えやすい)

これらの木材のデメリットを補う木材の加工処理が存在します。“液体ガラス”という物質で処理する方法と、薬剤を“加圧注入処理”する方法です。

「加圧注入処理材」

木材に薬剤を注入し、耐久性を向上させる処理です。

これは、木材を薬剤に浸した状態で高圧をかける事により行います。

木材表面に防腐剤等を塗布する場合、薬剤は表面から数ミリまでしか浸透しませんが、加圧注入すると、表面から数センチまで浸透するため、耐久性が向上します。

一般的には、この処理により緑色になった木材が多いようで、ホームセンターの資材売り場でも、緑色の木材が販売されています。これが加圧注入処理をした木材です。

(この加圧注入処理、自分が家を建てる前後に知識として知ったのですが、どこから得た情報だったか… 多分、一条工務店の住宅展示場で説明されたような気がする…)

「加圧注入の方法」

  • 木材を乾燥させる
  • 処理する釜に木材を入れ、釜内部に薬剤を注入
  • 釜内部を減圧し、木材内部の空気を抜く(薬剤が浸透しやすいように)
  • 加圧処理:15kg/平方cmの圧力をかけ、薬剤を木材内部に浸透させる
  • 釜内部から薬液を回収し、再度減圧する(余分な薬液を取り除く)
  • 釜から木材を出し、乾燥-養生する

この加圧注入に用いる釜は、レトルト食品や缶詰の殺菌(加圧加熱殺菌)を行うレトルト釜と同様の装置を使います。

「加圧注入に用いる薬剤」

加圧注入に用いる薬剤は、用途、目的により多数の種類があるようです。

この中で、防腐・防蟻処理薬剤としてACQという薬剤が使われています。主成分は銅化合物・塩化ベンザルコニウムとなります。塩化ベンザルコニウム=逆性石鹸液として知られ、手指の殺菌にも使われる薬剤です。

「加圧注入木材の耐久性」

防蟻効果としては20年と記載されているページがあります。

防腐性能については、この加圧注入処理が始まってからの年数が長くないので、実際のデータはありませんが、75年や100年の耐久性が見込めると記載されている記事もあります。

実際に加圧注入処理した木材を土に埋めて耐久性を試験している所もあり、現時点で27年間経過しているという報告もありました。このため、かなりの耐久性は見込めるものと思います。

「シロアリに対しての効果」

加圧注入処理した木材はシロアリの食害に強いのですが、シロアリが食べないという事ではないようです。

シロアリが木材を食べて消化できるのは、体内の細菌が消化を助けているとのことで、加圧注入薬剤は、この細菌を死滅させる効果があるため、シロアリが食べても消化できなくなる。つまりシロアリがそこに居れば、少しはかじられる?

この辺、多くのサイトではシロアリに対しての効果を説明していますが、一部のサイトでは加圧注入処理木材を使用しても、防蟻施工はした方が良いと書かれている記事もあります。ただ、通常の木材に比較すると、シロアリの食害に強いのは間違いなさそうです。

「液体ガラス」

これはTVでやっていたのを見て知りました。チラ見程度だったので、良く覚えていませんが、恐らく「ザワつく金曜日」という番組だったと思います(放映は2020年3月)。

液体ガラスというものに、木材を浸漬すると、木材はキズが付きにくくなり、難燃性となり、耐久性が上がるというものです。

この記事を書くにあたり、ネットで調べてみましたが、株式会社ニッコーという会社が液体ガラスを開発、扱っているようです。

ネットには、「液体ガラスとは完全無機の材質で、木材等に常温でホーロー被膜を形成する技術のこと」と説明されています。

(ホーロー(琺瑯):(本来は)鉄やアルミニウム等の金属表面にシリカ(二酸化ケイ素)を主成分とするガラス質の釉薬を高温で焼きつけたもの)

「液体ガラスとは?」

  • 木材改質処理技術。木材を液体ガラスにて処理することにより、水に強くなる、汚れ難くなる、耐久性が上がる、耐火性が上がる、耐候性が上がる 等のメリットがあります。
  • 液体ガラスはホルムアルデヒド等の有害物質を含有せず、不活性で人体に影響が無い(と説明されている)
  • 「液体ガラス」を木材に含浸、コーティング加工することで、「腐らない、変色しない木」になる。木材以外にも、コンクリート、スレート等にも使用可能らしい。
  • 一説には、ドイツの大学が研究し、ドイツの企業が特許を持っている同様の“Liquid Glass”というものに似ているとの記事もあります。
  • YouTube動画にて、通常の木材と液体ガラス処理した木材にて小さな小屋を作り、それぞれに火を点けて、液体ガラス処理した木材の方は燃焼しないという実験動画がありました。信憑性は分かりませんが、耐火性に優れるというメリットはあるようです。
  • ただネットを調べても、「液体ガラス」についての情報はあまり多くありません。

「液体ガラスの施工費用」

これも、殆どネットには出ていないようです(まあ、注文住宅にかかる単価、費用はネットでは殆ど出ていないのですが…)。

それでも、幾つか概算価格を記載しているサイトがありました。

  • ウッドデッキ 20平米で15~20万円
  • 外壁 180平米で約80万円

また、別のサイドで、コーティング方法の説明がありましたが、これが結構面倒で難しいように書かれていました。簡単なら自分でDIYでやってしまうという手もありそうですが…

「加圧注入処理木材、液体ガラス処理木材をどう使うのか?」

いずれの処理された木材も、木材のデメリットを補うことで、建築資材としての性能が向上しています。では、実際にこれらの木材を、どのように使えばよいのでしょうか?

どういう所にこれらの木材を使ったらよいのか? これらの情報もネット上にはあまりありません。

加圧注入処理木材については、一条工務店がセールスポイントとして使用をアピールしているようで、ネットにも少し記事が見つけられます。特にシロアリ対策として、土台部分を始めとして、1F部分にこの加圧注入処理木材を使用すると書かれてあります。

目的がシロアリなら、土台と1Fの床板に使用するのが良いのだろうとは想像できます。

ただ、液体ガラスの方は、実際の用途なり、建築資材として使うなら、どこにどういう風に使うのがお勧めなのか等、提案的な記事は殆ど見つけられません。

これらの木材を扱っている業者が、そのHPにて、「詳しくはお問い合わせ下さい」的な事を書いているものが多いようです。

でも、せっかく良い資材を提供するのであれば、もっとネット上でユーザー、戸建て住宅を建てようと検討している方向けに、積極的な提案記事があっても良さそうに思うのですが…

「これらの木材を実際に使いたい場合」

戸建て住宅の建築を検討中の方が、仮に、これらの木材を部分的に使いたいと考えた場合、

  • 未だ建築を委託する工務店等が決まっていない場合には、「液体ガラス処理した木材を使いたいが?」、「加圧注入処理した木材を使いたいが?」と、扱える工務店を探すという手はあります。
  • ただ、注文先の工務店が決まった後で、これらの木材について知り、使用したい場合は、その工務店がこれらの木材を扱うかどうかで、使えるかどうかが決まってしまいます…
  • 仮に扱える場合にも、価格が未知数です…
  • 木造軸組み工法の家は現在、殆どがプレカットされた木材を組み立てて作ります。プレカットはプレカット工場(メーカー)が行いますが、恐らく大半の木材はプレカット工場が手配している場合が多いのではないかと予想します。この場合、プレカット工場がこれらの特殊な木材を扱っていなければ、特注で仕入れる事となります。まあ可能な話だとは思いますが、通常は既存の扱いの無い仕入れはイヤがる場合も多い様に思います。
  • つまり、これらの木材を実際に使いたいと考えた場合にも、導入のハードルは低くは無いだろうと予想されるのです。

「本当に良い資材があったとしても…」

  • 一般小売されている商品の場合、ネット等で商品についての情報があり、価格に見合う品質で良いものであれば、徐々に売れ行きが伸びていく可能性があります。
  • しかしながら建築資材の場合、良い建築資材があったとしても、そもそもユーザーに情報が無い、情報が届かない事が殆どです。
  • 調べようにも、ネットには十分な情報が無い場合が多い(建築資材や施工方法によっては、ネットでたくさんの記事があるものもありますが…)
  • また、工務店の仕入れだったり、流通が閉鎖的、ブラックボックス的な所があり、通常使っていない資材を使うには、ハードルが高い場合もあり得ます。
  • つまりは、比較的閉鎖的な業界のように推察され、新たなもの、良いものがなかなか広がらない状況にある可能性があったりするのかなあと思うわけです。まあ業界に身を置いているわけではないので、全ては想像でしかありませんが…

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