建築資材構造・工法

「外壁材を選ぶとしたら?(焼杉)」

建築資材

私の家の外壁はポリマパネル(樹脂サイディング)です。これは、長い目で見た場合に最もコストがかからないだろうとの予想から選択したものです。

しかし、使用した樹脂サイディングを供給した会社はその後、取扱を止めてしまっており、メンテナンス等も期待できず、また施工例が少ないため施工出来る業者も限られており、特に西日本においては、他の人に勧められる外壁材とは言えない状況となっています。

さて、もしもう一軒家を建てるとしたら、外壁材として何を選択するか?

他の記事にも「外壁材選びは最も難しい」と書きましたが、本当に悩みどころです。

私なりに、外壁材を選ぶとしたら、何を選ぶか? 考えてみました。

「外壁材に求められる性能」

外壁材に求められる性能は、以下の項目になると思われます。

  • デザイン性
  • 耐久性
  • 防火性
  • 防音性、耐衝撃性
  • コスト(初期費用、維持費)

これらの項目の中で、何を優先するかは、その人の価値観に左右されるため、絶対的に優れている外壁材というのはありません。またこれらを全て兼ね備えた外壁材も現状では残念ながらありません。

(性能の中で、何を優先するか?)

「私は焼杉を選ぶと思います」

外壁材に求められる性能において、何を優先するか? によって選択が変わります。

私の場合は、以下の順となります。

  1.  コスト(耐久性を含む)
  2.  防火性
  3.  デザイン性、防音性、耐衝撃性

外壁材によっては、メンテナンスにかかる維持費が多く必要となるものがあります。私は家の維持にかける費用は最小限であるべきだとの考えより、デザインよりもコストを優先して考えています。

そのような価値観から見た場合、焼杉という選択をするだろうなと思うのです。

「焼杉外壁のメリット」

  • 耐久性が高い。一般的に30年~50年はもつと言われている(炭化層に厚みがあり丁寧に施工された場合)
  • 基本的にメンテナンスフリー:コーキングを行わないので、コーキングの打ち換えや、再塗装等のメンテナンスが不要。
  • 破損した場合、部分的な張替補修が容易。
  • 木材なので断熱性能、調湿性能がある。

「焼杉外壁のデメリット」

  • 触ると黒くなる、洗濯物は壁の近くでは干せない。
  • デザイン:これは好き嫌いがあるので一長一短ですが、選択肢が1つしななく選べないというのはデメリットと言えるかも。私は個人的に、黒色のシックな感じは好きです。
  • 耐火性:可燃物にて耐火性自体は低い

家に求められる性能は、耐震性、耐久性、耐火性があり、焼杉の最も大きなデメリットとして、私は耐火性が低い点だと考えています。

(調べてみると、「焼杉板そのものの防火性能が劣るのではなく、焼杉板を外壁に使用した場合の防火性能が公的機関などで評価されていないため、地域によっては外壁材として利用できない場合がある」と解説されているサイトもあります。)

「耐火性・防火性を上げる工夫」

私が焼杉を外壁材に選ぶとした場合、耐火性、防火性を上げる一工夫を入れたいと考えています。

自分なりに考えた工法としては、

「焼杉の外壁材の下に、石膏ボードを施工する」という方法です。

石膏ボードは防火性能に優れる建材にて、価格的にも安い建材です。「割れやすい」、「耐水性に劣る」特徴があるため、幾つか種類がある中から選定は必要ですが、下地に石膏ボードを施工することにより、家全体の防火性が上がります。また副次的に断熱性能も上がる事が期待出来ます。

そう思ってネットで調べてみた所、外壁の下地に石膏ボードの施工事例が紹介されていました。なので、この方法は問題無く適用出来るようです。

「他にも下地材料がありました!」

「焼杉 石膏ボード」にて検索していたら、「ダイライトMS」という建材が出てきました。この建材は、厚み9mmにて防火性以外にも耐衝撃性があり、家の構造強度UPにも貢献する下地材とのことです。

この建材を焼杉外壁に使用すれば、防火性能の向上に加え、耐震性強度UPにもつながる可能性があります。

ダイライトMSは、DAIKEN という会社の商品のようです。

私が家を建てる時には、この建材の事を知らなかったので、外壁下地として構造用合板を使いました。構造用合板を使用することで、家の耐震性、断熱性能は上がっていると思いますが、合板なので防火性能自体はありません。この建材を知っていたら、検討していたと思います(価格次第の所はありますが)。

(石膏ボードの断面)

「製法の違い:三角焼きとバーナー焼き」

さて、外壁材として用いる焼杉の板については、炭化層が厚いほど耐久性に優れると書かれてあります。

この焼杉材の作り方は、大きく2つの方法があり、

  1.  バーナーで表面を焼く:実際には大型機械設備にて焼成
  2.  三角焼き:板材を三角形に組んで、火元の上に立てることで、煙突作用により内面が焼ける。職人の手作業にて現場にて行われる。

一般的には三角焼きの方が厚い炭化層が形成されることより、耐久性に優れていると説明されています。

焼杉の製法については、ネットで記事が幾つもありますので、是非ご覧になってください。

(三角焼きの杉の表面 炭化層が厚い)
(バーナー(機械)焼き)

「焼杉の外壁を検討されてみては?」

デザイン性が問題無いのであれば、焼杉の外壁にはメリットが多く、検討材料の1つとして加えてみては如何でしょうか?

私も、もし今の家の外壁に問題があり張替が必要等の場合には、焼杉の外壁を選択すると思います。

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