私は宅建士(宅地建物取引士)の資格を持っています(ただのペーパーライセンスですが…)。
私自身は製造業勤務の会社員で、不動産とは全く無縁の業種に努めており、仕事上、宅建士の資格は全く不要です。
現在の仕事上は、特に資格などを要求される場面も無く、それまで資格も持っていませんでした。ふと、何の資格も持っていない事に気付き、ちょっとこれじゃ寂しいなあと考え、何か資格を取りたいと、軽い気持ちで宅建士を受験しました。
「なぜ宅建士なの?」
- 何の理由もありません。家を建てた後で、負債も抱えることとなり、ふと「今会社が無くなったら、首になったら?」と考えた時に、まともな資格1つ持っていない自分の身に気付き、とりあえず何でもよいから資格取得にチャレンジしてみようと考えました。
- 自分でも取れそうな、手ごろな資格がないかなあとネット等を見渡してみて、「最速3か月の勉強で取得可能」との文字が目に入り、それが宅建士でした。
- 家を建てた後でもあり、少し不動産とかも勉強してみた方が良いかなという思いもあり、宅建士の資格取得を目指すことにしました。
- つまり、宅建士の資格を取得する、明確な理由は無く、「自分でも取れるかもしれない」という勘違い? から目指すことになったものです。
「いざ受験してみて」
- 「最速3か月」を真に受けて、3カ月前から勉強を開始した というほど自信家ではなく、4~5か月くらいは勉強したと思います。
- 結果は「不合格!」 まあそうだろうなあ… でも試験を受けた直後は「出来たかもしれない」と思っていました… いやいや甘い。セオリーとして、「出来た」と思った試験は、問題が見えていないから落ちている場合が多いとよく言われますが、正にその通りの結果でした。
- まあ不合格は仕方ないと思いましたが… 自己採点結果は1点足らずの不合格! う~ん、あと1点あれば合格したのかと思うと、なんか惜しい気がしました。
- 全く合格に手が届かないのならいざ知らず、あと1点! もったいないと思い、翌年もう1回だけチャレンジすることとしました。
- 翌年は半年前から受験準備を行いました。2度目なので、絶対に合格するぞ と気合は入っていました。いざ2度目の受験をしてみて、試験問題の難しさに「過去最難度じゃないの?」と思い、不合格も覚悟していましたが… 結果は合格でした。もうシンプルに嬉しかったですね。やはり試験は「出来なかった」と思った時の方が、問題が見えているんだなあと思った次第。
「使用した問題集」
1年目も2年目も、使った問題集は同じものです。
「スッキリわかる宅建士」(テキスト+過去問スーパーベスト) TAC出版
- テキストと、厳選過去問とで構成された、初心者向けのテキスト+問題集です。これ1冊での合格は厳しいと思いますが、右も左も分からない初学者の第一歩としては、本当にお勧めです。この問題を何度も繰り返し、全ての問題の正誤が分かるようになることで、ある程度の基本的な事が把握できます。
「スッキリとける宅建士 過去問コンプリート12」 TAC出版
- 過去問〇〇年分 というのが結構出版されています。10年分以上収載されていれば、どの問題集でも構わないと思いますが、私は先のテキスト&問題集と同じシリーズの過去問で勉強しました。
- この過去問問題集は、分野別に収載されており、各問題の重要度が分けられています。結局、殆どの試験は、過去問をどれだけやり込むか? が合否のカギだと思います。2回目の受験の時は、この過去問を徹底的にやり込み、反復して問題を解き、3回連続で正解になるまで問題をやり続けました。なので覚えにくい問題は10回以上繰り返して解いています。
- テキストも購入したのですが、殆ど活用しませんでした。問題の解説を見ても理解に及ばないときにテキストは必要なのですが、インターネットがあれば、殆どの解説を見つけることが出来ます。なので専門のテキストはインターネットが見れる環境であれば、不要だと思います。私も理解が及ばないものは、ネットで調べていました。
「宅建士の試験問題について」
- 恐らく、公的資格試験において、宅建士は最も人気のある資格の1つだと思います。
- 合格基準の特徴として、50点満点の試験で、合格点が毎年変わるということ。受験者数に対し、合格者の割合が決まっており、その範囲の得点を合格基準点としています。
- なので、難易度の高い問題の時には、合格点は下がります。
- 1つ言えるのは、試験範囲が広いことより、いろんなパターンの問題が出されるので、過去問と全く同じ問題は出ないということ。なので、過去問10年分が完全に頭に入っていても、満点は取れません。
- だからこそ、大事な事は過去問をやり込むことで、過去10年分の問題は全て解ける様にしておく必要があります。それでようやく合格点+αの得点が出せるようになります。
「試験合格だけでは資格は取れない…」
- とりあえず、試験を受けて合格する事だけ考えていたのですが、どうも宅建士の資格というのは、試験を合格しても授与されない ということに途中で気が付きました(勉強を開始した当初はそこまで調べてなく…)。
- 宅建士は試験に合格しても、実務経験(2年以上)が無いと資格を得られません。もちろん、異業種の勤め人の私にはそんなものは無く… 但し、実務経験が無くても、登録実務講習というのを受講すれば、資格申請が行えるとのことでした。
- この辺の案内は、インターネットにも情報がありますが、合格証書の封筒にも説明が同封されていました。せっかく合格したのだから、資格証まで欲しいなあと、まあ実際には何のご利益も無い資格証ですが、ここまで来たら資格証まで取るぞ!
- 登録実務講習は、福岡市にて開催された講習を受講しました。2日間の講習を受講し、修了試験に合格することで、受講証明が交付されます。修了試験は宅建士試験合格直後であれば、記憶がある内なので何とかなりますが… これって、実務でやってなくてブランクがあると、ちょっと辛いなあと思います。まあ、記憶のある内に受講しましたので、何とか受講証明も頂けました。
「資格証交付申請が面倒」
- 過去に、不動産取引にかかる犯罪が多かったことより、宅建士の資格申請にかかる手続きは、少々面倒なものとなっています。及び、金額が高い!
- 「申請書」
- 「誓約書」 登録の欠格事由に該当しないことを誓約
- 「身分証明書」 禁治産者・準禁治産者・破産者でないことを証明する書面。⇒ 本籍地の市町村役場にて発行されます。
- 「住民票の抄本」
- 「合格証書の原本」
- 「実務経験証明書」 又は 「実務講習修了証」
- 「登録されていない事の証明書」 後見登記簿等ファイルに「成年被後見人、被保佐人とする記録がない」ことの証明書。東京法務局で発行されます。
- 「登録手数料」 ¥37,000(高っ!) 都道府県収入証紙にて納付
- 結局、もう登録実務講習まで受けたので、手間もお金もかかり、且つ全く資格を活かす予定もないのですが、記念に? 宅建士として都道府県に登録し、資格証を得ることとしました。しかし、宅建士の資格を取らなければ、「身分証明書」とか、「登録されていない事の証明書」とか、一生何のことか分からなかっただろうなあ…
「宅建士の勉強を通して」
- 試験受験はともかく、必要のない資格証まで取る必要があったのか? とも思いますが、まあ受験勉強の成果が欲しかったので。
- どんな資格も同じと思いますが、普段実務でやっていないことは、試験受験のために覚えた知識は、試験後すぐに忘れてしまいます… つまり現実的には役には立ちません。
- ただ、一度記憶の引き出しに入れる作業をしていますので、今後必要な場面が出た時に「そう言えば何かあったなあ」と、すぐに調べることは出来るように思います。
- 及び「そういう風になっているのか!」と、不動産取引における法的な規制なりは、普段触れることは無いので、本当に勉強にはなりました。家を建てる時、土地を買う時、家の貸し借りの時、知っておいた方が良い知識は幾つかあるように思います。今後、そういう事もこのブログで紹介出来たらなあと思います。
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